「第28回企画展展示に代えて その2」のクイズの答えは、
①幻住庵
②堅田の浮御堂
③義仲寺
いずれも正解でした。
①幻住庵は、元禄3年(1690)4月から7月まで芭蕉が滞在した庵です。
ここでひと夏過ごした体験をもとに、俳文「幻住庵記」が生まれます。
②堅田の浮御堂は、芭蕉が「鎖あけて月さし入れよ浮御堂」と詠んだところです。これは、元禄4年(1691)中秋の名月の翌日、一六夜に堅田の成秀亭に行き、夜舟でお月見の宴をした時に詠まれた句です。
③義仲寺には、木曾義仲と松尾芭蕉の墓があります。芭蕉は生前、
何度もこの寺を訪れ、境内の無名庵に滞在しています。
芭蕉の「からは木曽塚に送るべし」(『芭蕉翁行状記』)という遺言により、
門人たちの手で芭蕉の亡骸は義仲寺に運ばれ、墓が建てられたのです。
芭蕉にとって近江は、心寄せた土地のひとつでした。
それは、芭蕉が「貴境旧里のごとくに存ぜられ候」・「膳所は旧里のごとく存じなし候」と書簡で書き残していることや、芭蕉が生涯のうちで詠んだ句の約一割が近江で詠まれた句であることからもわかります。
