夏の終わりを感じ始める季節となりましたが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。夏の企画展が残り1週間となりました。
本日は、企画展会期中に新たに分かった事実をひとつ、ご紹介します。
明治28年(1895)に那波光雄が架設に携わった関西鉄道揖斐川橋梁の建設中写真の中には、下記の「笛橋堂」(TEKKIODO)写真台紙に貼られたものがいくつか確認できます。
笛橋堂(てっきょうどう)は、桑名で最初の写真館として、明治12年(1879)に桑名市魚之棚(現・三重県桑名市田町付近)に納屋才兵衛(なやさいべえ)によって開かれました。
この納屋才兵衛、実は、弘化4年(1847)に大垣の飯沼武右衛門長矩の七男として生まれています。
桑名の魚商「納屋才」中島家に養子に入り、その後、同じく大垣出身で岐阜に写真館を開いた小島柳蛙(こじまりゅうあ)に写真技術を学びました。そして、才兵衛33歳の時、写真館「笛橋堂」を開業したのです。
大垣出身の才兵衛と、彼よりも20歳ほど年若の光雄、彼らは桑名の地で揖斐川橋梁建設時に一体どんな話をしていたのでしょうか。想像が膨らみますね。
最終日、9月1日(日)午後3時からは、企画展の展示担当者による展示解説が
あります。よろしければ記念館まで足をお運びください。
【参考文献】『第26回企画展 博士のまち・大垣④ 鉄道敷設の大家で橋梁学の工学博士・那波光雄』(大垣市・大垣市教育委員会、令和元年発行)、 『桑名で最初の写真館・笛橋堂』(桑名市教育委員会、平成17年発行)