第22回企画展開催のお知らせ

  日に日に春の色が濃くなっている今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

奥の細道むすびの地記念館では、3月24日(土)より、春の企画展が始まります。今回の企画展では、貞享4年(1687)から翌年にかけて、芭蕉が東海・近畿地方をめぐった『笈(おい)の小文(こぶみ)』の旅を取り上げます。

貞享4年10月末、江戸の深川を出発した芭蕉は、尾張国鳴海(なるみ)・名古屋熱田(現・愛知県)で俳人たちと交遊し、また三河国伊良湖崎(いらござき)(現・愛知県)で隠棲(いんせい)している弟子の杜国(とこく)を訪ね、年末には故郷の伊賀上野(いがうえの)(現・三重県)に帰りました。さらに翌年、伊勢・伊賀(現・三重県)で俳人たちと交遊し、杜国と一緒に吉野(よしの)(現・奈良県)・高野(こうや)・和歌浦(わかのうら)(現・和歌山県)などの名所旧跡をめぐり、4月末、須磨(すま)・明石(あかし)(現・兵庫県)でその旅を終えます。およそ半年、1,600キロメートルに及ぶこの行程が、『笈の小文』の旅です。

  

芭蕉はこの旅を通じて、各地の俳人たちから手厚いもてなしを受け、数多くの句会の席をともにし、各地の歌枕・名所旧跡をめぐって、感傷にひたり、古人の詩心に触れていきます。この旅でつちかった俳諧観は、次の生涯最大の旅である『奥の細道』の旅に活かされていくことになります。

今回は、そうした旅の中でも、杜国に会いに伊良湖崎を訪れた時の一連の作品や、鳴海で句会をおこなった時の作品故郷の伊賀上野で亡き父母を思って詠んだ作品伊勢神宮の御師(おんし)と出会い詠んだ作品など、東海地方にゆかりのある芭蕉の作品を中心に展示します。また、芭蕉が俳諧に遊ぶ者の姿を三等級に分けて説明したことで有名な「風雅三等之文(ふうがさんとうのふみ)」を展示します。

うららかな日和、芭蕉と杜国の足跡をたどって、「風雅」の旅へと出かけてみませんか。ご来館を心よりお待ちしております。

 

展示名 第22回企画展 真筆でたどる芭蕉の生涯②

~『笈の小文』の旅から『奥の細道』の旅へ~

期 間 平成30年3月24日(土)~5月13日(日)

  

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